大手の飲食チェーンでよく見かける「○○キャンペーン」や「○○フェア」といったイベントですが、個人店や中規模店ではあまりお目にかからない印象です。
それは、大手でなければ集客効果がないからでしょうか? または、実施するのが難しいからでしょうか?
本記事では、このキャンペーンやフェアについてお話しします。大手でなくても、これらで集客するメリットはあるのか、集客を成功させる方法、実施する際の注意点などを解説します。
効果的に実施できれば、営業の幅を広げられ、集客や売上につながります。ぜひ最後までご覧の上、実行してみてください。
なお、「○○キャンペーン」や「○○フェア」「○○祭り」など様々な呼び方があり、意味は微妙に異なるようですが、今回はこれらを区別せずすべて「キャンペーン」と表記します。
飲食店がキャンペーンで集客するメリット
大手の飲食店に限らず、キャンペーンを行うことにはいくつかのメリットがあります。主なメリットを3つ紹介します。
新規客の集客が期待できる
キャンペーンを行うことで、新規客の獲得が期待できます。「○○キャンペーン」と銘打つことで、特別感が出て他店よりも目立ち、興味を持ってもらいやすくなるからです。割引や特典でお得さを打ち出せば、さらに足を運んでくれる可能性が高まります。
また、キャンペーンがあることで、すでにリピーターとなっている人も新規の人を誘いやすくなりますし、お店からもそれを促しやすくなります。
このように、キャンペーンの実施で得られるメリットは、新規客の集客につながりやすいというのが一つです。
既存客のリピート率がアップする
既存客のリピート率アップを期待できることも、キャンペーンを開催することのメリットの一つです。
例えば、期間限定などの特別メニューを販売することで、お客様は期間中にお店に行こうと考え、普段よりも来店頻度が高くなるでしょう。
また、キャンペーンを話題にすることでコミュニケーションが取りやすくなり、より関係性を深められて、その後の来店率にも好影響を及ぼすことができます。
このように、キャンペーンを行うことで、既存客の集客にもつながります。
売上アップにつながる
キャンペーンを理由に来店客が増えれば、当然ながら売上アップにもなります。
また、期間限定のメニューなどのキャンペーンであれば、普段の価格帯より高めに設定しても注文されやすいですし、いつもよりも多く注文されることもあるでしょう。こうして客単価が上がることも、売上アップに貢献します。
飲食店がキャンペーンで集客を成功させる方法
規模により異なる部分はありますが、順序に従い企画していけばキャンペーンを行うこと自体はそこまで難しくありません。
ここでは、どのように決めていけばよいかを順にお話しします。
キャンペーンの目的を明確にする
まずは、何を目的としてキャンペーンを実施するのかを明確にすることが大切です。目的がはっきりすることで、どのような内容のキャンペーンを行うべきかが明確になります。
例えば、新規客の集客が目的であれば、目を引きやすい割引などを実施することが有効でしょう。また、売上アップや既存客のリピート率の向上を目的とする場合には、普段は提供しないような特別メニューなどが効果的となります。
このように、キャンペーンの目的によりやるべきことが変わってきますので、目的を明確にしておくことは成功に直結する重要な要素です。しっかりと目的を考えてから、その目的に合った企画や実施方法を選ぶようにしてください。
ターゲットを絞り込む
ターゲットを絞り込む、つまり対象とする人をぼやけさせないことも、キャンペーンを成功させるためには重要です。特定の属性に合わせたキャンペーンを展開することで、より効果的な集客が可能になります。ターゲットとする人の年齢層や性別、趣味や嗜好などを明確にすることで、キャンペーンの内容だけでなく告知方法なども変わってくるからです。
例えば、主に若い女性をターゲットにする場合は、Instagramを利用した告知が有効となるでしょうし、地域密着型の飲食店が近隣住民をターゲットにするのであれば、チラシを近所にポスティングするのが効果的です。
特定のターゲットに刺さる内容であれば、よりファン化を進めることができます。
ただし、ターゲットを絞り込みすぎると、集客効果が薄れることがあるため、適度なバランスを保つことが大切です。
キャンペーンの種類を決める
キャンペーンの目的とターゲットが決まると、次はキャンペーンの種類を決めましょう。といっても、目的とターゲットが決まっていれば、自然と種類も絞れるはずです。
キャンペーンの種類の代表的なものを挙げておきます。
割引
これは、キャンペーン期間中に商品を割引価格で提供するものですが、特定のメニューだけの場合もあれば、総額から割引をする場合もあります。また、割引率も様々です。
プレゼント
これも、来店するだけでプレゼントするもの、特定の注文に対してプレゼントするものなどいろいろです。また、プレゼントするものも商品だけでなくポイントにすることも可能です。
季節限定
例えば、クリスマスにクリスマスディナーを用意するのが、季節限定のキャンペーンの代表です。他にも、オープン記念なども季節限定キャンペーンの一つといえるでしょう。
食材限定
これは、ある特定の食材や料理を前面に押し出すものです。例えば、夏場に「エスニック料理キャンペーン」を行うというのも、この食材限定のキャンペーンに含まれます。
特別メニュー
これは、季節や食材との関連性は薄く、キャンペーンのために特別にメニューを用意するものです。「毎月◯日は大盛り無料」などもこの例です。
キャンペーンの実施方法を決める
最後に、キャンペーンの目的、ターゲット、内容に沿った実施方法を決めていきます。
例えば、いつからいつまでやるのかという期間や終日やるのかといった時間帯、仕入れる食材や用意する什器類、告知の仕方や媒体などを一つずつ明確にし、実行の手順も決定します。
もちろん、当初想定していたとおりに進まないことも出てきますので、その都度修正していかなければなりません。何度もシミュレーションを行ったうえで、最終的な実施方法を決めましょう。
飲食店がキャンペーンを開催する際に気を付けるポイント
飲食店がキャンペーンを開催する際には、以下のポイントに注意して準備を行うことが大切です。
費用対効果を計算しておく
キャンペーンを実施するには通常営業とは別のコストがかかるため、そのコストに見合う売上や効果があるかを考慮する必要があります。
費用対効果を計算するには、まず効果にあたるものを出しましょう。この時、キャンペーン自体の売上だけではなく、キャンペーンが集客にどの程度貢献し、そのお客様から将来的にどれくらいの売上が発生するかも予想し算入してください。これらと、実際にかかるであろう費用とを比べます。
もし、将来的な売上を含めても、費用がそれを上回るようであれば赤字になるということなので、キャンペーンを中止するか内容を練り直す必要があるでしょう。
計画的に告知を行う
キャンペーンの効果を最大化させるには、十分な期間をとって告知する必要があります。
そのためには、実施日や内容などを早めに確定させ、WebサイトやSNS、チラシなどで告知してください。他にも、既存客にお知らせするために、店内にポスターを貼り出したり、口頭で伝えたりもしましょう。
ただし、告知期間が長すぎると、逆にキャンペーン前に飽きられてしまうこともありますので、適切な告知期間を設定することが必要です。
このように告知を計画的に行うには、実施方法を決める際に、この告知期間も考えておかなければならないということですので、後手に回らないよう早めに企画を立て始めましょう。
事前の準備をしっかりしておく
キャンペーンを行う際は、普段とは異なる物や事が必要になります。食材や器具はもちろんですが、混雑が予想される場合には、スタッフの増員などもしておかなければなりません。
他にも、キャンペーン時のオペレーションを考えて、そのためにスタッフのトレーニングも行わなければなりません。また、このようなイベントでは、予想外の出来事が起こるものです。何度もシミュレーションを繰り返し、突発的な事態が起こってもパニックにならないようにしておきましょう。
こうして、準備をしっかりしておけばキャンペーンを成功させることができ、集客や売上も伸びることでしょう。
今回は、飲食店が集客や売上を伸ばすのに貢献する「○○キャンペーン」や「○○フェア」についてお話ししました。
このようなイベントは、飲食店の規模によらずメリットがあり、大手チェーンだけのものではないことがご理解いただけたでしょう。また、目的やターゲットから順番に決めていくことで、自然と内容も固まっていくこともおわかりいただけたかと思います。
ただし、費用対効果を計算しておかないと赤字になることがありますので、気を付けてください。あとは、告知を含めて事前の準備をしっかりしておけば、上手くいくはずです。
お客様に楽しさを提供できて、お店の業績も上げられるのがキャンペーンです。キャンペーンを実施して、ぜひさらなる繁盛につなげてください。