マーケティング

飲食店が地産地消で集客するメリットとは?店、お客様、地元が三方良しとなり売上につながる

地産地消は、私達にとってすっかりなじみ深い言葉となっています。しかし、飲食店でそれを前面に出しているところは少ないように感じます。

今回は、飲食店が地産地消を売りにして営業するメリットやデメリット、効果的に売上につなげるポイントなどをお伝えします。
「地産地消が集客や売上につながるのか?」とお思いでしたら、ぜひ最後までお読みください。

飲食店の地産地消とは?

飲食店の地産地消とは、地元で生産された農産物や水産物などの食材を利用し、お客様に商品を提供することを指します。
地元の食材を使用することで、食材の安全性や鮮度を確保することができ、お客様により良い食体験を提供することができます

また、生産者とのつながりも深まり、食文化や経済を支援することも可能です。

飲食店が地産地消を行うメリット


飲食店が地産地消を行うメリットは多岐にわたります。大きくはお店、お客様、地元の三者に対するものに分けられます。
それぞれにどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

飲食店のメリット

まずは肝心の、お店にとって地産地消を売りにするメリットから見ていきます。
どのようなメリットがあるのか、代表的なものをお伝えします。

集客につながる

後述するように、地産地消はお客様にとってのメリットも大きなものです。
地元産の食材を使っていることで、鮮度や品質が高く、安心して食事ができるという点は、お客様の心に響くでしょう。これをアピールすることで集客につなげられます。

また、食材の仕入れ先の人やその知人が来店する機会にもなるはずです。
地域に貢献しているお店ということで、好感を持ってもらえ、紹介が広がることが期待できます。

他店との差別化ができる

周りに地産地消を売りにしているお店が多くなければ、他店とは違ったオリジナリティを出すことができます。

地元の食材を使い、独自性のあるメニューを提供することは、お客様にとって新しい発見や体験となり、特別感が生まれます。さらに、地産地消の取り組みは社会的にも注目されており、こうした取り組みに賛同するお客様も多く、お店のブランド力向上にもつながるでしょう。

このブランド力によって、単価アップやリピーター獲得などにつながることも期待できます

原価を抑えられる

地元で生産された食材は、輸送コストがかからず、中間流通業者の手数料も発生しないため、仕入れ価格が安く抑えられる傾向にあります。

また、生産量や漁獲量が多すぎるために品質が良くても出荷できないとか、形などの見た目の問題で市場で商品にならないなどといった食材が安く入ることもあります。
このような事情から、地産地消を行うことで原価を抑えやすくなり、収益の向上にもつながるでしょう。

お客様のメリット

地産地消を行う飲食店には、お客様にとってのメリットも多くあります。その一部をご紹介します。

安全性の確認がしやすく安心できる

お客様にとって最大のメリットの一つが、食材の安全性についての確認がしやすく、安心して飲食できることです。

直接、もしくは最短ルートで仕入れることで、食材の生産過程が見やすくなります。また、生産者との信頼関係を築くことで、偽装・不正表示などのリスクも減らすことができます
そのため、地産地消を行う飲食店は、お客様にとっては安心して食事を楽しむことができる場所といえるでしょう。

新鮮でおいしい

地元で調達すれば運搬時間が短いため、食材が劣化することなく、新鮮さを保てます。新鮮な食材であれば、同じ料理もよりおいしくなるでしょう。

また、地元の生産者からの仕入れでは、食材の旬がはっきりしていることも多く、その食材本来のおいしさも楽しみやすくなります
お客様は、新鮮で旬の食材を提供してくれる地産地消の飲食店を選ぶことで、おいしい食事を楽しむことができます。

コストパフォーマンスが高い

先述の、低い原価でお店に仕入れられるということは、お客様にとってもコストパフォーマンスの高い食材を楽しめるということです。

地元の生産者から直接仕入れるため、新鮮で良質の食材を調達できます。それにもかかわらず、中間マージンがないので、価格を抑えられるというのは、地産地消ならではのメリットといえるでしょう。

地元のメリット

飲食店が地産地消を行うことで、地元にもメリットがあります。
食材の生産者を含め、地域全体にも与えられるメリットにどのようなものがあるのか説明します。

域内でお金が回り経済が発展する

飲食店が行う地産地消は、使用する食材を地元で調達するということです。その結果、地元の生産者や卸売業者が経済的に潤います
これが次の消費につながり、地元の飲食店や小売店、サービス業などにも好影響を与えます。

地域内でお金が回ることにより、地元の経済発展へと結びつくのです。

環境負荷が減る

不揃いな形や大きさで市場に出せない食材でも、飲食店で調理すれば商品にすることが可能です。そうなれば、生産者や加工業者の廃棄する食材が減り、食品ロスを削減できます。

また、飲食店が地元の生産者と直接取引を行うことで、余計な梱包資材なども不要となるでしょう。
搬送にかかるエネルギー等も削減できるため、地域の環境負荷を減らすことにも貢献します

飲食店が地産地消を行うデメリット

飲食店が地産地消を行うことには、多くのメリットがある反面デメリットも存在します。とはいっても、地産地消を行うこと自体ではなく、地元の食材だけに絞って営業する場合に発生するものといえます。
それらのデメリットについてお話しします。

食材の種類が少なくなる

地元の農産物や水産物だけを提供するとなると、食材の種類が限られる可能性があります。地元だけで生産できるものには、限界があるので仕方がないでしょう。

その結果、メニューのバリエーションを減らさざるを得なくなるため、お客様の選択肢が少なくなってしまいます。

仕入れが安定しない

同様に地元の食材だけに限定すると、仕入れが安定しなくなってしまいます。
農産物や水産物は供給が気象条件に左右され、同じ地域内であれば同じように影響が出るからです。そのため、商品が安定して提供できなくなってしまいます。

地産地消で営業をしていくには、これらに対応できるようにしておかなければなりません。

飲食店が地産地消で売上につなげるためのポイント


飲食店が地産地消を行うことで、お店やお客様、そして生産者などの地元にメリットがあることはご理解いただけたでしょう。
しかし、地産地消をただ行うだけでは、成果につながりにくいものです。

そこで、飲食店が地産地消を売りにしながら、売上につなげるためのポイントについてご紹介します。

宣伝する

まずは、地産地消を売りにしていることを知ってもらい、来店してもらわなければ売上につながりません。
そのために、宣伝が非常に重要です。ホームページやSNS、店頭看板やメニューなどを使い地産地消をアピールするとよいでしょう。

ホームページやSNSでは、新たに来店してもらえるようお店の取り組みや地元食材の魅力を伝えるようにします。また、店頭看板やメニューでは、食材の産地や生産者の名前を明記することで、お客様に安心感や興味を持ってもらえるようにします。
同時に、地元食材へのこだわりをアピールすることで、お客様からの支持を得やすくなり、集客につながることでしょう。

メニュー開発などで目新しさを出す

地産地消が売りになるとはいえ、地元の食材を使っているというだけでは強いインパクトを与えられません。
そこで、メニュー開発によって目新しさを出すことが重要です。
もちろん、地元の食材を使った定番メニューは必要ですが、新しいアイデアを出すことでお客様を引きつけることができるでしょう。

例えば、新しい料理を提供することで、お客様に「こんな食べ方もあるんだ」という驚きを与えられます。
さらに、季節に合わせたメニューを提供することも大切です
地元の食材は旬がはっきりしているため、その時期にしか提供できないメニューを用意することで、お客様に「季節感を感じられる」という印象を与えることができます。

仕入れ先と関係を構築する

仕入れ先を確保するための関係構築は、地産地消において重要です。
不安定になりがちな食材の仕入れをできるだけ安定させるには、地元の生産者や卸売業者との関係を築くことは欠かせません。また、融通が利くようになれば希望の食材を調達しやすくなります

関係構築は長期的な視点で行うことが大切です。自ら行動することで継続的にコミュニケーションをとり、信頼関係を築いていくことが望ましいでしょう。

地元の食材だけにこだわりすぎない

地産地消を売りにする以上、極力地元の食材を使っていくことが大切です。しかし、地元食材だけにこだわりすぎると、メニューのレパートリーが少なくなるなどのデメリットも大きくなります。
そのため、地元以外の食材も取り入れることでメニューのバリエーションを増やすことが重要です。

例えば、地元食材を中心にした料理に、他の地域の食材を添えるなどで、変化をつけることができます
また、季節によっては地元食材が入手しにくい場合もあるため、他の食材を使って代替品を作るなど、柔軟に対応することも必要です。

地産地消を取り入れることで、飲食店だけでなく、お客様、地元にもメリットを与えることが可能です。
地元食材を使用することで、他店との差別化や原価削減にもつながります。安全性が高く、新鮮で旬な味わいを楽しめるため、お客様にも喜ばれますし、生産者をはじめとして地元にも貢献できます。
一方で、種類が限られたり、仕入れ価格が変動するなどのデメリットもありますので、対策は考えておかなければなりません。また、売上につなげるためには、宣伝やメニュー開発、関係構築が重要なことも押さえておきましょう。
地産地消をお店の売りにすることで、三方良しの店舗運営を実現してみてはいかがでしょうか。

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