売上を向上させるための有効な手段として欠かせない顧客アンケート。消費者の生の声を聞くことで、運営側では気づけないお店の欠点を知ることができます。
お客様の声を知るには、ネットに投稿されている口コミを確認する方法もありますが、アンケートと口コミでは得られる効果に決定的な違いがあります。
口コミはお客様が記したい評価や感想しか得ることができませんが、アンケートだと質問内容の設定が可能です。お客様からの回答を知りたい範囲のみに限定できるため、改善したい部分をピンポイントでリサーチすることができるのです。客単価や客足の低迷に悩んでいる際には、顧客アンケートの実施が効果的だと言えますね。
ですが、一口にアンケートと言っても質問項目は様々。経営改善に役立つ内容にするためには、どのような点に気をつけるとよいのでしょうか。
今回は、おすすめのアンケート内容やお客様に答えてもらえる工夫、アンケートに最適なツール(アプリ)をご紹介します。
お店の為になるアンケート内容とは?
まずはアンケートをとる理由・目的を明確にすることから始めましょう。
売上向上のためにアンケートを実施しても、それがお店の運営状況に影響しない内容だと、かなり非効率的です。
「リピーターを増やしたい」 実施して欲しいキャンペーンについての質問。
「客単価を上げたい」 あると嬉しいサイドメニューの質問。
このように、効果的なアンケート内容を導き出すためにも、目的を明確にすることが重要なのです。
また、アンケートの最後にLINEアカウントやメール登録を掲載すれば、次回来店までに繋げる導線を作ることもできます。
キャンペーン情報やクーポン配布など、お得なメッセージを受け取れる特典を付ければ登録者数は増えやすく、リピーターの確保において非常に役立つでしょう。
料理の味やボリューム、メニューの満足度
飲食店であれば、料理についての質問は欠かせません。
調理マニュアルを用意していても、作る人によってはどうしても完成度に差が出てしまうもの。料理の満足度が低い場合には、キッチンスタッフの手順や材料の分量を今一度見直すきっかけになります。また、メニューについての感想を知ることで、新メニュー考案など次に行うべき課題を見つけることもできます。
お客様のほとんどは、不満があってもお店に直接伝えることはしません。売上に直結する料理に対しての評価は、必ずアンケートに入れましょう。
接客対応の満足度
ホールスタッフの対応も、料理の満足度と並ぶほどに重要な項目。料理のクオリティが高くても従業員の態度が悪いと、次の来店は見込めません。特に従業員が多い飲食店だと、スタッフ一人一人の接客態度を把握することは難しく、接客マニュアルから外れた対応をしていても気づけない場合が多いでしょう。
アンケートにホールスタッフに関する項目を入れることで、従業員の接客状況を知るヒントになり得るのです。
店内環境(衛生面、室温)
客席から見える厨房の汚れや食器のベタつきなど、お客様視点だからこそ目に付く部分があります。このような、なかなか気づけない小さな欠点がお店のイメージに直結するのです。
また、動き続けている従業員と座っているお客様では、心地よい室温に差があるはず。お客様が感じる室内の適温を知るには、記しやすい「店内の室温についての5段階評価」アンケートが有効な手段の一つと言えます。
このように、「お客様に改善できる点を教えてもらう」というスタンスでアンケートをとってみると、取り掛かるべき様々な課題が浮かび上がるでしょう。
当店を知ったきっかけ
お店が見られやすいツールやタイミングを知ることは集客の手立てになります。
ここで注意すべき点は「来店を決めたきっかけ」と混合しないこと。来店のきっかけについてアンケートした場合は、「価格帯が予算と合っていた」「キャンペーンが行われていた」など、お店を選んだ理由しか知ることができません。
いつ、どこで(どの媒体で)宣伝の力を入れるべきなのかを知るためには、店舗を知ったきっかけを伺う必要があります。
飲食店を決める基準
「当店を知ったきっかけ」と併せて聞き取りたいのが、「当店を選んだ理由・飲食店を決める際の基準」です。
多くの情報や新しいジャンルが行き交う現代では、お客様のニーズは常に移り変わっています。競争率が高い飲食店業界で大切なのは、来店の理由を知ること。お客様が魅力を感じるお店の特徴を理解し、その要望に沿った売り方に調整していきましょう。
また、「当店を選んだ理由」をアンケート項目に入れることで、店舗の魅力を客観的に分析することができます。競争社会を生き抜く上では、独自の強みを伸ばし他店舗との差別化を図ることも重要です。
アンケートを答えてもらう工夫
アンケートを用意しても回答が集まらなければ意味がありません。
より効率的に効果を上げるには、何となく実施するのではなく、答えてもらう工夫を施さなければなりません。
インセンティブ(お礼)をつける
即効性があるのがインセンティブの活用です。アンケートに答える動機ができるので、回答率は目に見えて上がるでしょう。
ですが、お礼をつけることによるデメリットもあります。「次回ご注文時、サイドメニュー半額」などのクーポンがお礼である場合、次の来店も考えているお客様の回答が多くなってしまいます。お店に不満を抱いていない内容に偏るので、欠点や課題が浮き上がりづらくなってしまうのです。
アンケート項目を増やしすぎない
質問項目が多すぎると、アンケートに答えてくれる確率は著しく下がってしまいます。お客様に負担をかけすぎない、5~10項目の質問に絞りましょう。
また、項目数だけでなく質問文の文字数にも気をつけなければいけません。アンケートにぎっしりと文字が詰まっているだけで、誰しもが面倒に感じてしまいます。
「今回ご注文いただいたお料理の味について、感想を教えてくださいますか?」ではなく「ご注文いただいたメニューの感想を教えてください」と、短くシンプルにまとめるよう心がけましょう。
回答方法は「選択式」
お客様自身が文章を考えなければいけない質問ばかりだと、アンケートにかかる時間が長くなり面倒だと感じてしまいます。回答の形式は、直感的に答えられる「選択式」を基本としましょう。「はい/いいえ」や「良い~悪い」の選択肢にチェックを入れてもらう方法であれば、お客様が気軽に取り組めるので回答率は上がります。
ここで気をつけるべき点は、「良い/悪い」に対してどちらとも言えない感想を抱いたお客様を悩ませない配慮です。「味はどうでしたか?」など程度を聞く質問には、「普通」という回答を選択肢に入れましょう。
アンケート用紙を手渡し
アンケートの方法として一般的なのがテーブルアンケート。テーブルの端にアンケート用紙を置いておくだけで簡単に取り入れられる手軽さが特徴です。紙を用意しておくだけなので、従業員の手間にもなりません。
ですが、回答が集まりにくいというデメリットもあります。アンケート用紙に気づかないお客様も多くなるでしょう。
そこで実施したいのが、アンケート用紙の手渡し。席に案内したタイミングや、注文を伺う際に従業員から直接渡すことで、アンケートの存在を示すことができます。
また、その際にお客様とのコミュニケーションを図れるので、リピーターを確保しやすい環境を作ることもできます。
アンケートツールを利用する
現代では大半の人がスマートフォンを利用しています。特に若者の利用が多い店舗では、積極的にインターネットを使ったアンケートを取り入れていくべきです。
QRコードを用意しておけば手軽に素早く回答できるので、回答率のアップに繋がります。
また、質問内容を変えたいときも設定を変更するだけなので、お店の状況にその都度合わせることができます。集計も自動で取れるので、より効率的な店舗運営ができると言えますね。
アンケートに最適なツール(アプリ)
スマートフォンが普及している現代では、アンケートツール(アプリ)を利用しているお店も増えています。上記に述べた通り、アンケートを答えてもらう工夫としてインターネットを使うことは非常に効果的。是非取り入れて欲しい策です。
ここからは、アンケートに最適なツール(アプリ)をご紹介いたします。
CREATIVE SURVEY
https://jp.creativesurvey.com
操作は簡単、なのに高度な機能も充実しているCREATIVE SURVEY。質問順ランダマイズ機能(質問の順番をランダムに変更)、性別に応じた質問項目の変更機能、回答に矛盾があれば通知する機能など、アンケートに活用できる高度な機能が多く備わっています。
アンケートはドラッグ&ドロップやブログを書くような単純な操作で作成可能。複雑な機能で本格的に作成することも、簡単操作でシンプルに作成することもできるので、様々な用途に活用できます。
Questant(クエスタント)
https://questant.jp
ツイッターやインスタグラムなどのSNSを、アンケート配布の媒体として利用するならQuestantがおすすめ。それぞれのSNSに合わせたフォーマットでアンケートの作成ができます。
1つのアンケートにつき10問まで質問が可能な無料プランが用意されています。どのアンケートツールを使うか迷っている人は、まずは無料で試してみるのもよいでしょう。
有料プランでも、年単位の支払いか単発の支払いかを選択できるので、1回だけ利用したい人も気軽に取り入れられます。
SurveyMonkey
https://jp.surveymonkey.com
SurveyMonkeyは簡単操作で最短3分でアンケート作成ができるので、アンケートツールを使ったことがない方でも安心して利用できます。また、カテゴリ別で分けられた200種のデザインテンプレートが用意されているので、効率的にアンケートフォームを作れます。
未回答者へリマインダーメールを送信する機能や、アンケート前に成果を予想するSurveyMonkey Genius、個人の回答まで深くチェックできる優れた分析機能など、便利な機能が充実しているので、本格的にアンケートを実施したい方にもおすすめです。
Fastask
https://www.fast-ask.com
シンプルな機能とデザインが特徴のFastaskは、簡単で直感的な操作が出来ます。アンケート作成が非常に簡単で、画面の指示に従い設定するだけで調査票が出来上がります。
入力の手間を省きたい人、ネットの操作が苦手という人には「配信おまかせパック」がおすすめ。こちらは、アンケート入力から配信までを代行で担ってくれる非常に便利なプランです。
また、複数人で案件を管理できる共有機能も備わっているので、業務における管理者同士のやり取りもスムーズにできます。本人確認が厳重で、セキュリティ面では特に評価の高いツールです。
様々な情報で溢れている現代では、いかにお客様の声を取り入れるかが売上向上の鍵となります。
そこで実施すべきお客様アンケートですが、闇雲に質問していては取り掛かるべき課題は見えてきません。
アンケートを取り入れる際は、「リピーターを増やしたい」や「客単価を上げたい」など、目標を明確にすることから始めましょう。
ただ、アンケート作成や回答の集計は非常に手間や時間がかかってしまうもの。効率よく運営するためには、アンケートツール(アプリ)の利用をおすすめします。今回ご紹介したツール以外にも様々なサービスがありますので、導入を検討している方は是非調べてみてくださいね。
【参考】
https://jp.creativesurvey.com
CREATIVE SURVEY
https://questant.jp
Questant
https://jp.surveymonkey.com
SurveyMonkey
https://www.fast-ask.com
Fastask
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