お店は、外国人のお客様に対応できていますか?
コロナ禍も過ぎ、これから外国人観光客はさらに増えることでしょう。観光客でなくても、日本に滞在する外国人も多くいます。
ということで、飲食店にとってさらに重要になっていくのが、英語メニューです。
英語メニューがあれば、外国人のお客様は安心して注文できますし、スタッフも円滑に対応できます。また、どうやって食べるのか、どんな特色やおすすめがあるのかなどの情報も伝えやすくなるため、満足度もより高められるでしょう。
この記事では、飲食店での英語メニューについて、重要性やメリット、作成時のポイントなどを解説します。
これらの内容を参考にして、お店にぴったりの英語メニューを作ってみてください。
なぜ飲食店で英語メニューが重要なのか?
新型コロナウイルスの影響で大きく減少した訪日外国人ですが、2023年現在では、徐々に回復基調にあり、今後も増加が続くと予測されます。そうなると、外国人のお客様に対する配慮はより重要になっていきます。
それは飲食店でも変わらず、より利便性の高い環境を整えていくことが必要でしょう。
その一つが英語メニューを用意すること。英語メニューがあれば、外国人のお客様は、どんな料理か分かりやすくなり、注文もスムーズにできます。
情報も多く伝えられるようになるため、お客様の満足度が高まり、口コミでお店の評判が広がる可能性も高まります。
英語メニューがあることで、お店の売上が大きく変わる可能性があるということなのです。
英語メニューのメリットとは?
英語メニューを作ることで、飲食店にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、英語メニューの2つの大きなメリットを紹介します。
外国人観光客の受け入れ拡大と競争力の向上
英語メニューを作ることで、外国人観光客の受け入れを拡大し、競争力を向上させることができます。
というのも、多くの外国人観光客は日本語が分からないからです。すると、メニューを見てもどんな料理か分からず、注文に困ってしまいます。
その結果、チェーン店やファストフード店ばかりに行くことになりかねません。
英語メニューがあることを入口に掲示しておけば、このような外国人観光客も来店しやすくなります。
また、写真や説明を多くすることで、料理の特徴や魅力が伝わり、注文へとつながりやすくなるでしょう。
英語メニューがあることで、外国人観光客に対するサービスの質も向上し、満足度も高まります。
結果的に他の飲食店と差別化することができます。英語メニューがあるお店のほうが選ばれやすくなるからです。
たとえ、これまで外国人のお客様が少なかったとしても、これからは英語メニューが飲食店の売上アップにつながる重要なツールとなるでしょう。
スタッフの負担軽減
日本語のメニューしかなければ、料理の内容や値段がわからない外国人のお客様はスタッフに質問をすることになるでしょう。しかし、英語が苦手なスタッフでは、コミュニケーションがうまく取れないこともあります。
これは、お客様に不満を感じさせるだけでなく、スタッフにもストレスを与えることになります。
英語メニューがあり、写真や説明文などの必要な情報がそろっていれば、料理のイメージや特徴も分かりやすくなるので、質問なども少なくなるでしょう。これにより、スタッフは英語での対応に時間や労力をかける必要がなくなります。
スタッフの負担が軽減すれば、サービスの質や効率を向上させることにつながります。
英語メニュー作成で重視する点
英語メニューを作るときには、ただ日本語メニューを英訳するだけでは不十分です。また、分かりやすく魅力的な英語メニューにするためには、デザイン面や文化的な配慮も重要です。
この章では、英語メニュー作成で注意すべき3つのポイントを解説します。
翻訳の正確性と魅力的な言葉選び
英語メニューを作るとき、最も重要なのは翻訳の正確性です。
この場合の正確性とは直訳ではなく、外国人のお客様にきちんと伝わる料理名にすることです。
例えば、「目玉焼き」を「Grilled Eye」と訳すと、とんでもないことになってしまいます。
これは極端な例ですが、しっかり調べたうえで外国人にも伝わるように説明してください。
また、正確なだけでなく、魅力的な言葉選びも大切です。
というのも、外国人の方は日本の食文化に興味がある一方で、不安や抵抗感を持っている場合もあるからです。
ある飲食店が「たらこ」を「cod roe(たらの卵)」と訳したところまったく売れなかったけれど、「spicy caviar(辛いキャビア)」に変更したら人気になったという話があります。
「たらの卵」という説明は必要だとしても、商品名はポジティブなイメージを持たれるようにしたほうがよいという一例です。
伝わりやすいデザインとレイアウト
英語メニューを作るときには、翻訳だけでなく、デザインやレイアウトにも気を配る必要があります。
その中でも特に重要なのが、写真を使うようにすることです。
写真は言葉以上に料理のイメージを伝えることができますので、お客様が興味を持ちやすくなります。
また、写真は料理のサイズや盛り付けも示すことができるので、「思っていたのと違った」というクレームを防ぐこともできます。
外国人のお客様は、日本のメニューに慣れていない場合が多いので、食材や調理法などで分類して、色分けをするなどで見やすく分かりやすいメニューにすることが大切です。
文化的な配慮とアレルギー情報
英語メニューを作成する際には、文化的な配慮とアレルギー情報の表示も重要です。
外国人のお客様の中には、宗教や倫理などの理由で食べられない食材がある人がいます。また、食物アレルギーのある人も多く、食材を確認したいというニーズもあります。
そこで、英語メニューでは、次のようにしましょう。
・使用食材について正確な情報を提供する
・アレルゲンが入っているかもしれないときは、必ず表記する
・注意すべき食材は、イラストなどを使って、視覚的にわかりやすくする
これらは、お客様の安全と満足を高めるだけでなく、お店の信頼や強みにもなります。
英語メニュー作成の際には、ぜひ行ってください。
外国人に喜ばれる英語メニューの特徴
前章にしたがえば、必要最低限の英語メニューは作成できます。
しかし、外国人のお客様により満足してもらうためには、もう少し工夫が必要です。
この章では、外国人により喜ばれる英語メニューについて解説します。
食べ方も含めた丁寧な料理説明がある
料理の名前や食材、調理法だけでなく、その料理の特徴や食べ方などを詳しく説明すると喜ばれるでしょう。
外国人のお客様は、日本の食文化に慣れていない場合が多いので、私たちにとって常識だと思っていることでも分からないことが多いものです。
例えば、説明がなければ、ざるそばのつゆを麺にかけてしまう人がいるかもしれません。
この料理を初めて見る人はどう思うだろうかと想像して、必要な情報を伝えるようにしてください。
ローカルな特色やおすすめを伝えている
地域色や季節性がある料理、お店のおすすめなどは、英語メニューでもそれを伝えるようにしましょう。
外国人観光客の中には、日本の食文化や地域の名物に興味がある人やチェーン店にはない味を求めている人がたくさんいます。
これらの人に、興味を持って注文してもらえるように、そしてより楽しく食事をしてもらえるように、説明を加えてみてください。
番号表示がある
番号表示は、外国人のお客様が注文しやすくするための工夫です。
メニューに料理の番号を書いておけば、番号を言うだけで注文できます。これは、英語が苦手なスタッフにも優しい方法です。
当然、お客様とスタッフの間の誤解や時間の無駄を減らす効果もあります。
番号は、料理の写真や説明文の横に、大きな文字で表示しましょう。
支払い方法を提示している
支払い方法に関しても、英語メニューに記載があると外国人のお客様に喜ばれるでしょう。
特に、以下の項目は多くの外国人の方が求めている情報です。
・チップが不要であること
・キャッシュレス決済が利用できるか
・税金やサービス料等が含まれているか
・会計をどこでするか
英語メニュー作成・運用のポイント
ここまで、飲食店の英語メニューの重要性やメリット、作成時に重視すべき点などをご紹介しました。
ここでは、どのように作るのか、どうやって運用していくのかをお伝えします。
英語メニューの作り方
英語メニューに記載する内容などが決まっても、実際の作成をどうするか迷ってしまうかもしれません。
大きく分けると自作するか外注するかの2つになります。それぞれの具体的な方法について説明します。
自作する
費用がほとんどかからず、メニュー変更もしやすいのが自作のメリットです。
しかし、翻訳やデザイン、印刷などをするのが少し手間だと感じるかもしれません。
とはいえ、現在ではパソコンさえあれば、Google翻訳などを使って簡単に英訳ができますし、Canvaなどの無料ツールでもある程度のデザインが可能です。
完璧な英語や洗練されたデザインを求めないのであれば、自分で作るので十分といえるでしょう。
外注する
手間を省けて、クオリティの高いメニューが作れるのが外注のメリットです。
料金は様々ですが、専門の業者に依頼するとそれなりの金額がかかってしまいます。
そこで、料金を抑えて外注したい場合には、「ココナラ」などのオンラインサービスを利用するという選択肢があります。
制作スキルに関しては個人差がありますが、おおむね業者に依頼するよりも安価に作成可能です。
スタッフのトレーニング
英語メニューがあるだけでも、外国人のお客様の満足度は上がりますが、スタッフのトレーニングをすることでよりレベルを高くできます。
英語で挨拶や注文を取ることなどができると、お客様も安心して飲食できるでしょう。さらに、お客様の出身地に合わせた対応ができれば、さらに喜ばれるようになるはずです。
スタッフが英語で接客できると、英語メニューとの相乗効果により、外国人のお客様がリピートすることも期待できるでしょう。
飲食店で英語メニューを作ることは、外国人のお客様の満足度を高め、お店の競争力や売上にも大きく影響します。
しかし、英語メニューを作るには、ただ日本語を英語に翻訳するだけでは不十分です。外国人の方にとって、どんな料理か分かりやすく注文しやすいように、写真や説明文、番号などを工夫する必要があります。また、翻訳の正確性や文化的な配慮も重要です。
英語メニューを作るときには、インターネット上の翻訳サービスなどを活用すると便利ですが、専門家に依頼するのも一つの方法です。
英語メニューを作って、外国人のお客様に喜んでもらい、お店の繁盛にもつなげましょう。