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飲食店の集客を加速するハッピーアワー!メリット・デメリットや実施のポイントなどを紹介

あなたのお店は、集客に悩んでいませんか?

お客様が少ない時間帯にどうやって人を呼び込むか、競合店とどうやって差別化するか、など考えることは多いと思います。そんな時におすすめなのが、ハッピーアワーという施策です。

ハッピーアワーとは、一定の時間帯にお酒や食事を割引価格で提供することで、お客様を呼び込む方法です。この方法は、お客様にお得感を与えるだけでなく、お店にも様々なメリットがあります。

しかし、単に安く商品を提供するだけでは効果が出ません。ハッピーアワーを成功させるためには、いくつかのことを知っておく必要があります。

この記事では、ハッピーアワーのメリット・デメリットや実施方法、ポイントなどを詳しく紹介します。あなたのお店の集客を加速させたいのであれば、ぜひ読み進めてください。

ハッピーアワーとは?

主に、飲食店が込み合う前の時間帯に、ドリンクやフードの価格を安くするサービスがハッピーアワーですが、商品を安く提供する目的は何なのでしょうか?また、そんなことをして損にならないのでしょうか?

まずは、これらの問題について説明します。

ハッピーアワーの目的

夕方の早い時間帯の飲食店は、空席が多くなりがちです。この時間帯に、安く飲食できるというメリットでお客様を引き付けるのが、ハッピーアワーの目的です。

ハッピーアワーでは、安くなった商品だけでなく、通常価格の商品が注文されることもありますので、これにより売上が向上することも期待できます。

さらに、ハッピーアワーに満足してもらえればリピート客になる可能性も高く、売上の長期安定にもつながるでしょう。

ハッピーアワーをやって損をしないのか?

ハッピーアワーの実施を躊躇する場合、利益率の低下を心配することが多いようです。

たしかに、利益率だけを見ればハッピーアワーにより下がる可能性は高くなります。しかし、客数が増え、トータルの売上が上がることで、最終的な利益額が増えれば問題ないでしょう。

ただし、ハッピーアワーを実施し客数が増えれば、必ず利益額も増えるというわけでもありませんので、その効果を最大限に引き出すためには、運用方法に工夫が必要です。

ハッピーアワーのメリット

商品を安く提供するということで、抵抗を感じる人も多いハッピーアワーですが、しっかりとメリットもあります。ここでは、そのメリットを3つ紹介します。

集客力の向上

ハッピーアワーを実施するメリットの一つとして、集客力の向上があります。

競合店が多ければ来店してもらうのが難しいものですが、ハッピーアワーを行うことで、お得感を訴えてお客様を引き寄せることができるからです。

さらに、ハッピーアワーに来たお客さんが、口コミやSNSで宣伝してくれる可能性もあります。

これらの効果により、ハッピーアワーは飲食店の集客力を向上させる有効な手段といえるでしょう。

売上の増加

次のメリットとして、売上の増加があります。

なぜなら、ハッピーアワーでは通常よりも安く飲食できるため、お客様はより多くの注文をする傾向があるからです。また、ハッピーアワーで来店したお客様でも、その後も通常価格で飲食を続けることがあります。つまり、客単価が上がることもあるということです。

もちろん、ハッピーアワーで来店したお客様が、ハッピーアワー以外の時間帯にリピートすることもあるでしょう。このように、ハッピーアワーは、早い時間だけでなく他の時間帯の売上の拡大にもつながります。

競合店との差別化

最後に、競合店との差別化を図ることができるというメリットも紹介します。

同じエリアに飲食店が多い場合、ハッピーアワーをやっているお店はお客様にとって魅力的な選択肢になります。「この時間であれば、お得に飲食できるあの店にしよう」ということで、競合と比較されることすらなくなるかもしれません。

さらに、ハッピーアワーを通じて、お店の個性やコンセプトをアピールすることで、他の時間帯でも選ばれやすくすることが可能です。

ハッピーアワーのデメリット

ハッピーアワーには、メリットがある一方でデメリットも存在します。デメリットを知らずにハッピーアワーを実施すると、かえって経営に悪影響を及ぼす可能性がありますので、これから紹介するデメリットも認識しておいてください。

利益率の低下

すでにお伝えしたとおり、ハッピーアワーは、集客力や売上を高める効果がある反面、利益率の低下にもつながります。通常よりも安く提供するので、粗利額が少なくなってしまうからです。

また、ハッピーアワーをすることで、安く飲みたいだけのお客様などが集まることもあります。このことも、利益率を下げる要因となるでしょう。

そのため、ハッピーアワーを実施する際には、安さだけを売りにしないなどの、利益率の低下を最小限に抑える工夫が必要です。

サービス品質の低下

ハッピーアワーを実施すると、サービス品質が低下する可能性があります。なぜなら、ハッピーアワー中は客数や注文が増えるため、スタッフの対応が追いつかなくなることがあるからです。そのため、商品の提供スピードや味、見た目などに対して、不満やクレームが発生するリスクが高まります。

サービス品質の低下は、お客様の満足度や評判に影響し、結果的に集客が伸びない原因にもなりかねません。

ハッピーアワーを成功させるためには、サービス品質の維持や向上にも注意を払うようにしてください。

スタッフの負担の増加

ハッピーアワーを実施すると、スタッフの負担も大きくなります。ハッピーアワー中は、通常よりもお客様が多くなり、注文や提供の対応で作業量が大きく増えてしまうからです。

また、ハッピーアワー限定商品や割引き商品など、メニューの管理も複雑になります。これらのことは、スタッフのストレスや疲労を増やし、モチベーションやサービス精神を低下させる可能性があります。

スタッフの負担を軽減するためには、ハッピーアワーの時間帯や内容を適切に設定し、スタッフの配置や教育、作業のシステム化などをしっかり行うことが必要です。

いろいろあるハッピーアワーの実施方法とは?

ハッピーアワーを実施するにあたって、どのような方法があるのでしょうか?

実は、ハッピーアワーにはさまざまなパターンがあり、店舗の特徴や目的に合わせて選ぶことができます。この章では、代表的なハッピーアワーの実施方法を4つご紹介します。

1杯目のみ非常に安価に設定

ハッピーアワーの実施方法の一つとして、1杯目のみ非常に安くするというものがあります。これは、「生ビール1杯だけ10円」というような方法です。

この方法のメリットは、2杯目以降も注文してくれることで、ある程度の売上を確保できることです。また、破格の価格設定という特別感を演出することで、お客様の興味や好奇心を引くこともできます。

ただし、この方法のデメリットは、1杯目だけ安くしても2杯目以降は通常価格に戻すということで、お客様に不満や不信感を与える可能性があることや、注文数が伸びなければ利益率が大きく低下することです。そのため、この方法を実施する場合は、お客様に明確に説明することや、2杯目以降も注文しやすくすることなどが必要です。

一部商品の値下げ

次の実施方法として、一部商品の値下げがあります。これは、お店の看板メニューや人気商品を割引価格で提供することで、お客様の注目を集める方法です。例えば、生ビールやチューハイなどの定番ドリンクや、唐揚げやポテトなどの人気のおつまみを安くするといった具合です。

一部商品の値下げのメリットは、割引商品の中での選択肢があるので、1杯だけ安く提供するよりもお客様に受け入れられやすいことです。また、割引されていないメニューも注文してもらえればある程度の単価維持もできます。さらに、他店との差別化になるメニューを割引商品とすることで、多くの注文を集められ、お店の特徴や魅力をアピールすることもできます。

一方デメリットは、割引するメニューの選定が難しいことです。お客様が注文したくなる商品はお店にとっての利益が少ないものになりがちで、そればかり注文されるとお店の利益が出なくなってしまいます。かといって、お客様にとって魅力的でない商品を割引しても、来客につながりにくくなります。

一部商品の値下げを行う場合は、割引率や対象商品を利益率や集客力とのバランスを考えて決めるようにしましょう。

全商品割引き

他にも、全商品を一律に割引きする方法があります。「全品10%割引」という具合です。

この方法のメリットは、シンプルでわかりやすいことです。お客様は、どの商品を注文しても割引き価格で提供されることを知っているので、迷わずに注文できます。また、全商品を割引きすることで、普段はあまり注文されない高価な商品や、新しい商品を試してもらうチャンスになります。

しかし、デメリットもあり、その一つが利益率が大きく下がる可能性が高いことです。全商品を割引きするということは、高額商品ほど割引額が大きくなります。一般的に高額商品のほうが原価率が高いため、残る利益がより大きく減ってしまうのです。

このように、商品による利益率の減り具合が異なるため、商品ごとに利益率を計算して導入を決めてください。

ハッピーアワー限定商品

最後に紹介する実施方法が、ハッピーアワー限定商品を作るというものです。これは、通常のメニューにはない商品を、ハッピーアワーの時間帯だけ販売します。

ハッピーアワー限定商品のメリットは、特別感や新鮮さを与えることでお客様の好奇心や興味を引くことができるというものです。また、お客様に口コミやSNSでの拡散をしてもらいやすくもなるでしょう。

ただし、ハッピーアワー限定商品の提供は、単なる割引きと異なり、比較対象がないためお得感が伝わりにくくなります。そのため、中途半端なものであれば、返って満足度が上がりにくいといえるでしょう。お客様にとって価値が伝わりやすい形で提供することが必要となります。

ハッピーアワー実施時のポイント

ハッピーアワーを導入することで、集客力や売上をアップさせることができることはご理解いただけたでしょう。しかし、ただ安くするだけでは、十分な効果は上げられません。

ここでは、ハッピーアワーを成功させるための2つのポイントを紹介します。

情報発信による集客促進を行う

ハッピーアワーは、お得なサービスですが、お客様に知られなければ意味がありません。そのため、ハッピーアワーの存在や内容を積極的に情報発信することが重要です。

情報発信の方法としては、以下のようなものがあります。

・店頭に目立つPOPやチラシを貼る
・SNSやホームページなどのオンライン媒体で告知する
・メルマガやLINEなどで会員に配信する
・口コミや紹介で広めてもらう

これらの方法を組み合わせて、多くのお客様にハッピーアワーをやっていることを伝えましょう。

ハッピーアワー以外の売上につなげる

ここまでのお話しでおわかりのように、ハッピーアワーはあくまでも来店のきっかけにすぎません。お店に来てくれたお客様には、ハッピーアワーの対象商品以外を注文してもらったり、他の時間帯にも来てもらったりしなければお店の利益にはなりにくいのです。

そのためには、ハッピーアワー以外の店の魅力をアピールすることが必要です。

具体的には、以下のようなことを心がけましょう。

・ハッピーアワー以外のメニューやサービスも紹介する
・スタッフの接客や雰囲気づくりに気を配る
・ポイントカードやクーポンなどでリピートを促す
・ハッピーアワー以外の時間帯でも割引や特典を提供する

これらの方法で、お客様の、お店への愛着や信頼感を高めましょう。

今回は、飲食店の集客を加速するハッピーアワーについて、メリット・デメリットや実施方法などを紹介しました。
ハッピーアワーは、集客力や売上の向上、競合店との差別化などのメリットがありますが、利益率やサービス品質の低下、スタッフの負担増などのデメリットもあります。また、ハッピーアワーを実施する場合は、自店に合った方法を選び、情報発信やリピート客の定着などのポイントを押さえることが重要です。
ハッピーアワーは、飲食店の経営において有効な手段の一つですが、成功させるには計画的に取り組む必要があります。しっかりと利益につなげられる方法で、あなたのお店にも導入してみてください。

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