飲食店にとって重要な課題の一つである集客は、商品の質だけでなく、接客の質にも左右されます。
商品が良くても、接客が悪ければお客様は離れてしまいますし、逆に、接客が良ければ、お客様はリピートしたり、口コミで広めたりしてくれます。それにもかかわらず、不快感を与えない接客であれば十分、としていることも多い印象です。
では、どんな接客が集客につながるのでしょうか。
今回は、必要最低限のレベルの接客ではなく、お店の強みとなり、集客効果を得られる接客術を紹介します。接客の基本的な考え方や、お客様に好印象を与えるポイント、具体例などがご理解いただけるでしょう。
集客率アップのため接客に力を入れようとお考えでしたら、ぜひ最後までご覧ください。
飲食店で集客アップにつながる接客術とは
お客様に飲食店を気に入ってもらうには、料理や雰囲気だけでなく、接客も大切です。接客はお客様の印象や口コミ、リピートに関係します。
では、どんな接客がお客様に喜ばれるでしょうか。ここでは、集客に効果的な接客術の基本を紹介します。
個々のお客様に合わせる
飲食店の接客で大切なのは、「お客様がどんな目的や気分で来店したかを見極める」ことです。
お客様は、お腹を満たすだけでなく、その人なりのくつろぎ方や楽しみ方をしたいと思っています。ですから、各お客様に合ったサービスを提供することが必要です。
例えば、一人で静かに食事したいお客様には、余計な話をしないようにし、逆に、スタッフとの会話を求めるお客様には、笑顔で丁寧に話しかけましょう。
そのためにも、お客様の反応や表情をチェックし、不満や要望がないかも常に確認してください。画一的にならず、そのお客様に合わせた接客ができれば、好印象を与えることが可能となります。
積極的な接客を心がける
お客様に良い印象を与えるには、受け身ではなく、積極的に接客することが大切です。積極的に接客するとは、お客様の要望や感情を察し、こちらから提案やサービスをすることです。
例えば、メニューのおすすめやおいしい食べ方、料理と飲み物の相性などを伝えるといったことがその一つです。
求められてからではなく、積極的に接客することで、お客様に親切で丁寧だと思われ、満足度もより上がります。
接客でお客様に好印象を与えるためのポイント
さらにお客様に好印象を与えるためにはどうすればいいのでしょうか?
ここでは、お客様があなたやお店に対して信頼感や親近感を持ちやすくなるポイントを紹介します。
笑顔で対応する
笑顔は接客の基本です。笑顔で接すると、お客様に親しみや信頼感が生まれます。逆に、良いサービスをしても、笑顔がなければ好印象を与えられないでしょう。
笑顔で対応する際は、次の3つにも気を配ってみてください。
・目を見て話す
たとえ笑顔であっても、目をそらしたり、下を向いたりすると、不快感や不信感を与えてしまうかもしれません。相手の目を見て接客することを意識してみてください。
・自然な笑顔を作る
無理に作った笑顔は、お客様に不自然さや嘘っぽさを感じさせてしまいます。自然な笑顔を作るには、口角だけでなく目元も動かすことが大切です。
・声も笑顔にする
声も笑顔にすると、お客様に温かみや元気さが伝わります。声も笑顔にするには、声量やトーン、抑揚などに気を付けましょう。
笑顔で対応することは、飲食店の接客術の中でも最も重要なポイントです。日々の接客で意識してください。
こちらからコミュニケーションをとる
お客様との会話は、接客の好印象につながる大切なことですが、特にこちらから話しかけると、歓迎していることをお客様に伝えられます。
また、お客様の希望や満足度がわかりますし、お客様も楽しく食事ができます。
会話をするときは、次のことに気をつけましょう。
・お客様の様子や雰囲気で、話しかけるタイミングや回数を調整する
・お客様が興味や関心があることを話題にする
・丁寧で明るい話し方をし、相手の話をよく聞く
お客様との会話は、仲良くなる機会となり、リピートや口コミにも効果があります。飲食店の接客術では、お客様と会話をすることを大切にしましょう。
お客様の期待を超えるサービスをする
接客の目標は、お客様に感動してもらうことです。そのためには、お客様が期待する以上のサービスを提供するよう意識しましょう。
そのためには、一般的なレベルを認識したうえで、それ以上のサービスを心がけることです。また、以前自分が行なった接客も、次には上回ろうとすることが大切です。
期待以上のサービスをすることで、お客様の心に強い印象が残り、リピートしたり、口コミで広めたりする可能性が高まります。
従業員で情報を共有する
従業員同士で情報を共有することもとても重要です。情報を共有することで、お客様のニーズに応えやすくなり、スムーズな対応ができます。
例えば、以下のようなお客様の情報を共有しましょう。
・アレルギーや好み、特別なリクエストなど
・来店頻度や常連かどうか、前回の注文内容など
・誕生日や記念日など
情報を共有する方法としては、伝票やメモに書く、スタッフ間で声かけをするなどがあります。重要なのは情報が正確でわかりやすく伝わることです。
また、情報を共有する際は、お客様に気づかれないように気配りをしましょう。お客様の前で大声で話したり、私語になったりすると、印象が悪くなりますので注意してください。
情報を共有することで、お店全体で自分を迎えてくれているとお客様は感じて、嬉しく思います。情報を共有する習慣をつけて、接客力を高めましょう。
集客アップ接客術の具体例
続いて、飲食店で実践できる集客アップ接客術の具体例をご紹介します。
ただし、これらはごく一部であり、少し考えるだけで他にもいろいろと思い浮かんでくるはずです。
ぜひ独自の接客術を見つけ出してみてください。
注文される前におかわりをすすめる
お客様が料理やドリンクなどのおかわりをするために「すみません」と従業員を呼ぶ前に、「おかわりはいかがですか?」と聞くことで、お客様は気持ちよく注文できます。そうすれば、お客様は気遣いやサービスの良さを感じて、満足度が高まるでしょう。
ただし、お客様が食事や会話に夢中になっているときは、邪魔しないようにしましょう。また、売り込みにならないようにも気を付けてください。
注文の裏を察する
お客様が注文するときには、言葉だけでなく、声や表情、態度などにも気をつけましょう。お客様の本当に欲しいものや感じていることを理解することができれば、満足度の高い接客ができます。
例えば、お客様が「何でもいいです」と言っても、本当に何でもいいというわけではないことがあります。その場合は、「こちらがおすすめです」とメニューを紹介するなどして、選びやすくしてあげましょう。
また、お客様が「これは辛いですか?」と聞いたときには、「辛いものは苦手ですか?」と確認するなどをして調節してあげると安心感を与えられます。
このように、注文の言葉の裏を読むことで、お客様に合った提案や対応ができるようになります。お客様の反応や感想にも目を向けながら、最適な接客を目指しましょう。
相手に合わせてカスタマイズする
お客様はそれぞれ違う要望や好みを持っています。前もってアレルギーや嫌いなものなどを確認し、可能な限り対応しましょう。
また、以前そのような要望を聞いたことがあるお客様には、こちらから「○○が苦手でしたよね。代わりに△△を使ってお作りしましょうか?」と提案することをおすすめします。
こうしたニーズに応えることは、お客様に特別感や感動を与えるだけでなく、口コミやリピートにもつながります。お客様の立場に立った接客を心がけましょう。
店内の温度が適切か気にかける
冬場だけでなく、夏場でもクーラーの効き過ぎなどで店内を寒く感じるお客様がいます。
そこで、温度が適切か常に気にかけて、寒そうにしている人にはひざ掛けやストールなどを貸し出ししましょう。ただ置いておくだけではなく、声をかけて差し出すことが大切です。
他のお客様もいる状況では、自分の好みを言えない人は多くいます。そこで気配りができれば、お客様は感謝の気持ちになるはずです。
料理の説明をする
料理をお客様にお出しするときは、料理の名前だけでなく、特徴や素材、調理法なども説明しましょう。そうすると、お客様は料理に対して興味や期待を持ち、より楽しめるようになるはずです。
また、料理のおいしい食べ方や合う飲み物なども伝えると、お客様はより満足してくれます。
ただし説明は、お客様が聞きたいことを考えて、わかりやすく、短く、丁寧に話しましょう。
この記事では、飲食店の集客アップにつながる接客術とそのポイント、具体例を紹介しました。
接客は、お客様の気持ちや要望に応えて、良い印象を持ってもらうことが大事です。
積極的に声をかけたり、期待以上のサービスをしたりすることで、お客様を喜ばせ、満足させられます。その結果、リピートしたり、友達に教えたりといったことになるでしょう。
接客の具体例としていくつかお伝えしましたが、探せばもっとたくさん見つかるはずです。
これらの接客術が、あなたのお店の集客率を高め、売上を伸ばすのに貢献できれば幸いです。