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喫煙の規制がもうすぐ!飲食店がしなければいけない対策とは?

東京都受動喫煙防止条例とは


タバコは、喫煙者だけでなく非喫煙者の健康にも悪影響を与えます。タバコを一切吸わない人でも、喫煙者の近くにいることで副流煙や呼出(こしゅつ)煙を吸い込んでしまうからです。これを受動喫煙といいます。そんな受動喫煙のリスクを抑えるために東京都が制定した条例が “東京都受動喫煙防止条例”です。

この条例は、受動喫煙による健康被害を未然に防止する目的でつくられました。2018年6月に制定され、2020年4月1日より全面施行となります。条例によると、特定の敷地内および屋内施設での喫煙は原則禁止。受動喫煙による健康被害を防ぐ環境が整備されます。

以下、対象施設とその規制内容です。
1.保育園、幼稚園、小・中、高等学校など:敷地内完全禁煙(屋外に喫煙場所の設置不可)
2.大学、医療機関、児童福祉施設など:敷地内禁煙(屋外に喫煙場所の設置可)
3.上記以外で多数の人が利用する施設など:原則屋内禁煙(喫煙専用室での喫煙可)
この規制内容を見てもわかるように、さまざまなところで喫煙が制限されます。各施設の事業者は条例を遵守しなければ”罰則”が科されますので注意が必要です。

都内の飲食店は原則禁煙!?知っておきたい経過措置


飲食店は前項の”3.多数の人が利用する施設など”に含まれます。よって、店舗内は原則禁煙となります。以下、飲食店を対象とした規制内容の詳細です。

規制の内容 原則屋内禁煙
紙巻きタバコ 喫煙専用室で喫煙可能(飲食は不可)
加熱式タバコ 喫煙専用室または加熱式タバコ専用喫煙室で喫煙可能(飲食可)
規制の対象外 個人・家族経営などで従業員がいない場合
罰則 施設管理者は5万円以下、喫煙者は5万円以下

東京都の情報によると都内の飲食店のうち約84%が規制の対象になります。繰り返しになりますが、条例を遵守しなければ罰則が科されますので、今現在喫煙を許可している飲食店は一度、喫煙ルールを見直すことをおすすめします。

なお、条例には”経過措置”もあります。以下でご紹介する条件を満たせば、店内を全面禁煙化にしなくてもよいとされていますので、ぜひ対策として検討してみてください。

喫煙専用室の設置による分煙化

喫煙専用室を設置し”分煙”という形にすれば、店舗内の全面禁煙化に取り組まなくてもよくなります。ただし、紙巻タバコが吸える喫煙専用室での飲食は不可。喫煙と飲食が同じ空間でできるのは加熱式タバコ専用の喫煙室になります。

また、喫煙専用室を設置する際には技術的な条件を満たさなければなりません。この条件には、
1.喫煙室の外側から内側に流れる気流が毎秒0.2m以上であること。
2.喫煙室は壁や天井によってきちんと区画すること。
3.タバコの煙を屋外に排気すること。
などがあります。分煙化に取り組む際は注意しましょう。

なお、1階と2階が同じ店舗内であるなど複数階の飲食店は、煙が漏れないように壁や天井をきちんと区画したうえで、上階を喫煙専用フロアとして扱うこともできます。

ここで注意しておきたいのは、店舗内に喫煙できる場所を設ける場合、出入口にステッカーを掲示する義務が発生することです。喫煙できる場所を店舗内につくる際は、忘れずにステッカーを掲示するようにしましょう。

喫煙を主な目的としている飲食店

バーやスナックなどの飲食店は”喫煙目的施設”に含まれ、店内を喫煙可能とすることができます。ただし”タバコの対面販売が許可されていること”などの条件があります。また、ご飯や麺類といった”主食と認められる食事を提供している飲食店”は対象外になります。

東京都受動喫煙防止条例による懸念点


東京都受動喫煙防止条例の施行に際して、飲食店には以下のような懸念点が挙げられています。

客足の減少、常連離れ

受動喫煙防止という観点から、喫煙可能または分煙対応している飲食店への未成年者の立ち入りは制限されます。未成年者は受動喫煙による悪影響が大きくなりやすいと考えられているからです。結果、業態や客層によっては客足の減少が見込まれます。

また、喫煙スペースに制限をかけたり、店舗内全面禁煙にしたりすることで、今まで喫煙していた常連が飲食店から離れてしまう可能性もあります。

未成年アルバイトの雇用など

上記と関連していますが、未成年アルバイトも受動喫煙のリスクがあるスペースへの立ち入りに制限がかかります。よって未成年アルバイトを多数雇用している飲食店は、配膳や清掃などに不都合が生じる可能性があります。飲食店によっては対策を検討することが必要です。

喫煙ブースなどの設置費用

今まで店舗内喫煙OKとしていた飲食店が分煙化する場合、新たに喫煙専用室などを設置しなければなりません。その費用は必要な機器や備品によって異なりますが、数十万円~数百万円になります。このようなコストがかかることも想定しておく必要があります。


東京都受動喫煙防止条例の施行に際して対策に追われる飲食店は多いでしょう。それにともない極端な対策方法を取り入れてしまう飲食店も少なくないかもしれません。しかし大切なのはどのお客さんにも満足してもらえる飲食店をつくることです。飲食店経営者は、喫煙者にも非喫煙者にも喜んでもらえる店舗運営の方法を考えていくようにしましょう。

【参考】

https://www.foods-ch.com/gaishoku/1539674991428/?p=3
飲食店の喫煙、禁煙はどうなる? 国と東京都の規制内容まとめ

https://www.smbc-card.com/kamei/magazine/tips/restaurant_opening.jsp
東京都福祉保健局 東京都受動喫煙防止条例

https://www.foods-ch.com/gaishoku/1539674991428/
飲食店の喫煙、禁煙はどうなる? 国と東京都の規制内容まとめ

https://www.jti.co.jp/tobacco/bunen/inshoku/index.html
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