今や、だれもがスマートフォンを携帯する時代。どこにいてもネットにつながっていないと不安という人がほとんどでしょう。中には、自分の通信量を消費したくないという人もいるかもしれません。
そうなると、飲食店でも用意したいのがフリーWi-Fi。フリーWi-Fiとは、インターネットに接続できる無線ネットワークのことで、お客様がスマートフォンやタブレットなどの端末で自由に使えるサービスです。最近では、カフェやファストフード店など、さまざまな飲食店がフリーWi-Fiを提供しています。
でも、導入したほうがいいのか、導入するにはどうしたらいいのか、などがわからないこともあるのではないでしょうか。
そこで、本記事では、飲食店にフリーWi-Fiを導入することのメリットとデメリットを解説し、さらに導入する際の選ぶ基準や手順を紹介していきます。
飲食店にフリーWi-Fiを導入するメリットとは?
近年、飲食店においても、フリーWi-Fiを提供することが一般的になってきましたが、飲食店がフリーWi-Fiを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、代表的なメリットを3点ご紹介します。
新規集客につながる
飲食店にフリーWi-Fiを導入すると、新規のお客様が増える可能性があります。なぜなら、フリーWi-Fiは無料でネット回線を利用したい人にとって魅力的なサービスだからです。
無料でネット回線を利用したい人とは、例えば以下のような人たちです。
・仕事や勉強の合間に外で休憩したい人
・友人や家族との待ち合わせ場所として飲食店を利用したい人
・SNSやブログなどで飲食店の情報をシェアしたい人
これらの人たちは、フリーWi-Fiがあるかどうかで飲食店を選ぶ可能性が高まります。
また、フリーWi-Fiは、あなたのお店の口コミを増やす効果も期待できます。というのも、インターネットに無料で接続できると、お客様はSNSなどで情報をシェアしやすくなるからです。これにより、お店の知名度や評判が上がり、新規集客につながるかもしれません。
客単価が上がる
他にも、客単価が上がるというメリットも期待できます。インターネットに無料で接続できることで、お客様は長く滞在しやすくなり、その間に追加注文をする可能性が高まるからです。
また、SNSなどで情報発信しやすくなることで、口コミやレビューを投稿するモチベーションが上がります。そのため、色々な商品を試してみようと、より多く注文することにもつながります。
リピート率が上がる
さらに、リピート率が上がるというメリットもあります。その理由は、フリーWi-Fiを利用できることで、お客様の満足度がより高くなりやすいからです。こうした、店舗への好感度や信頼感が強まることで、再来店の動機も高まります。
つまり、Wi-Fiが使えないというお客様のストレスを解消することで、ファン化が進むということです。
飲食店にフリーWi-Fiを導入するデメリットとは?
飲食店にフリーWi-Fiを導入することには、メリットだけでなくデメリットもあります。フリーWi-Fiを導入することで、どのようなデメリットが発生するのでしょうか?
ここでは、一般的なデメリットについてお伝えします。
費用がかかる
フリーWi-Fiを導入するには、工事費やWi-Fiプロバイダーの月額利用料などの費用がかかります。これらの費用は、店舗の規模や利用者数、通信速度などによって異なりますが、初期費用を除いて一般的には年間数万円程度です。また、メンテナンスやトラブル対応などで人的資源も必要になります。
これらの費用や手間が、Wi-Fiを導入することで得られるメリットと比較して、十分に見合うものであるかどうかを慎重に検討する必要があります。
回転率が落ちる
先ほどは、お客様が長時間滞在することがメリットにつながるとお伝えしましたが、業態や状況によってはデメリットになる可能性があります。なぜなら、長時間滞在するお客様により、他のお客様が入店できなくなる場合があるからです。
このような事態になれば、回転率は低下し売上に影響を及ぼします。特に、混雑時間帯に起これば、大きな問題となります。もし、売上に悪影響が出るようであれば、何らかの対策をしなければなりません。
飲食店にフリーWi-Fiを導入する際の選ぶ基準とは?
では、フリーWi-Fiを導入することにした場合、どのような基準でプロバイダーや機器を選べばよいのでしょうか?
ここでは、導入する際の選ぶ基準として、3つのポイントについて解説します。
費用
飲食店にWi-Fiを導入する際の最も気になるのが、費用です。Wi-Fiプロバイダーによって、料金プランやサービス内容は異なるため具体的な金額は挙げにくいのですが、一般的には月額数千円程度でしょう。また、初期費用で数万円程度必要です。
しかし、費用だけで判断するのは危険です。安いからといって、使い心地や安心・安全性が低いWi-Fiを選んでしまうと、お客様に不満や不信感を与えてしまう可能性があります。逆に、高いからといって、必要以上の機能やサービスを付けてしまうと、コストパフォーマンスが悪くなります。
Wi-Fiを導入する目的や効果を明確にし、お店に合ったWi-Fiプロバイダーを選ぶことが大切です。
使い心地
使い心地とは、Wi-Fiの同時接続台数や通信速度のことです。これらは、お客様がWi-Fiを快適に利用できるかどうかに大きく影響します。
同時接続台数とは、Wi-Fiに同時に接続できる端末の数のことを指し、この数が少ないと、お客様がWi-Fiに接続できないという状況が発生する可能性があります。これでは、お客様を不快にさせるだけでなく、悪い評判にもつながりかねません。席数をカバーできる接続台数のものを選びましょう。
通信速度はWi-Fiでデータを送受信する速さのことで、この速さが遅いと、お客様がインターネットを利用する際に、画像や動画の読み込みが遅くなったり、途切れたりする可能性があります。これも、お客様をイライラさせる原因になってしまうので1台あたり5Mbps以上の通信速度を確保するのがおすすめです。
サポート
Wi-Fiを導入した後も、トラブルや問題が発生する可能性があります。その際には、Wi-Fiプロバイダーが迅速かつ丁寧に対応してくれるかどうかが重要になるので、事前にサポート体制や対応時間を確認しましょう。
もちろんお店のスタッフも、Wi-Fiの基本的な操作やある程度のトラブルシューティングを習得しておくことが必要になります。
飲食店にフリーWi-Fiを導入する手順とは?
では、実際にお店にWi-Fiを導入するとなったら、何をすればいいのでしょうか?
ここでは必要な手順を、具体的に解説します。
Wi-Fiプロバイダーと契約する
飲食店にWi-Fiを導入するには、まずプロバイダーと契約する必要があります。プロバイダーとは、インターネット回線やWi-Fi機器を提供する会社のことです。
プロバイダーを選ぶ際には、前章で述べた費用や使い心地、サポートなどの基準を参考にしましょう。また、契約内容やサービス内容にも注意してください。例えば、契約期間や解約条件、更新方法などは事前に確認しておく必要があります。
プロバイダーにより特徴が異なりますので、比較検討してお店にふさわしいものを選びましょう。
Wi-Fi機器を設置する
次に、Wi-Fi機器を設置する必要があります。Wi-Fi機器とは、無線LANルーターやアクセスポイントのことです。無線LANルーターは、インターネット回線と端末をつなぐ役割をします。アクセスポイントは、電波の届く範囲を広げたり、多くの端末を同時に接続できるようにする役割があります。
Wi-Fi機器の設置場所は、お店の広さや形状、電波の届く範囲などによって異なりますので、気を付けてください。一般的には、お店の中央や高い位置に設置すると、電波が広く届きやすくなります。また、壁や家具などの障害物が多い場所や、電子レンジや冷蔵庫などの電子機器がある場所は、電波が弱くなるか干渉する可能性があるので、避けるようにしましょう。
Wi-Fi機器の設置方法は、プロバイダーによって異なります。一部のプロバイダーでは、専門のスタッフがお店に来て設置してくれるサービスがあります。また、自分で設置する場合でも、プロバイダーから詳しい説明書やサポート電話が提供されることが多いです。設置が完了したら、Wi-Fiが正常に動作するかどうかを確認しましょう。
Wi-Fiの利用規約や注意事項を明示する
機器を設置すると、お客様にインターネットを自由に使っていただけるようになりますが、それには一定のルールが必要です。Wi-Fiの利用規約や注意事項を明示することで、お客様に安心してWi-Fiを使っていただくとともに、お店側もトラブルや責任の問題を回避することができます。
Wi-FiのSSIDやパスワードなどの情報、利用規約や注意事項を記載したカードやポスターをテーブルやカウンターなどに置くのが一般的です。
Wi-Fiの利用規約や注意事項には、以下のような内容を含めることが望ましいです。
・Wi-Fiの提供時間や通信速度などのサービス内容
・Wi-Fiの利用目的や禁止行為(違法ダウンロードやネットワーク攻撃など)
・Wi-Fiの利用に伴う個人情報の取り扱いやセキュリティ対策
・Wi-Fiの利用に関する免責事項や責任範囲
Wi-Fiの利用規約や注意事項を明示することは、お客様に対するサービスの一環と考えてください。お客様に分かりやすく説明し、納得していただくことで、Wi-Fiを快適に使っていただくことができます。
飲食店にフリーWi-Fiを導入することは、集客力や売上を高める効果が期待できます。
一方で、導入に費用がかかったり、回転率が低下したりするなどのデメリットもあります。そのため、自店に合ったWi-Fiプロバイダーを選び、お客様に節度を持ってご利用いただけるような運用を行うことが重要です。
また、Wi-Fiのセキュリティ対策やトラブル対応も忘れずに行ってください。
フリーWi-Fiを上手に活用して、お客様に快適な飲食体験を提供し、お店の繁盛につなげていきましょう。