いまや、飲食店が集客にWebを活用するのは一般的となっています。ツールもホームページ、食べログを始めとしたグルメ情報サイト、インスタグラムといったソーシャルメディアなど様々です。
しかし多くのツールがある中で、飲食店ではあまり活用されていないものもあります。それはブログです。
今回はこのブログを使う集客について、どのような特徴があるのか、メリットやデメリット、効果的な運用方法などをご紹介します。本記事を読んで活用できそうだと思ったら、あなたのお店でもブログを始めてみてください。
なお、ブログで収入を得るには、広告料や物販などもありますが、今回は店舗への集客についてのみ解説します。
ブログの特徴
いまやブログは、ほとんどの人が知っているほどになじみ深いものとなっています。
ここであらためて、概略と特徴を見ておきましょう。
ブログとは
ブログとは情報や意見などを記載し、インターネット上で公開できるウェブサイトの一種です。
Web上のログ(記録)を表す「ウェブログ」の略で、誰でも開設することができます。利用しているのは、趣味について発信する人、収入を得るために運用する人などで、目的は様々です。また今回お話しする、集客のために利用している人も多くいます。
無料でも開設できますし、自店のホームページがあればサイト内に組み込むのが一般的です。
ブログの特徴
ブログには下記のような様々な特徴があります。
それぞれはブログだけが持つ特徴ではないのですが、これらを兼ね備えるのはブログだけといえるでしょう。
簡単に始められる
先述した通り、ブログは無料でも始められます。この場合たいした手間もかかりません。
たしかにTwitterなどのSNSでは普通のことかもしれませんが、グルメサイトへの登録と比べれば非常に簡単です。
多くの情報を届けやすい
基本的にブログには文字数制限がなく、文字以外にも画像や動画、音声など、多くの種類の情報を載せられます。
飲食店であれば、料理のおいしそうな写真や調理中の動画など、お店の魅力を伝える手段は多いほうがよいでしょう。もちろんSNSでもこれらを伝えられますが、まとまった情報として発信するには不向きです。ブログであれば、多くの情報をしっかりと届けられます。
信用につながりやすい
ブログは1記事単位でページを作成し、それらをまとめて管理することが可能です。記事をカテゴリー分けすることで閲覧性も高くなり、知りたい内容へのアクセスも容易になります。
このようにまとまった情報として読者が利用できるので、お店の信用につながります。
検索にかかりやすい
ユーザーが知りたい情報をブラウザーで検索した場合に、ヒットしやすいのもブログの特徴です。
SNSやメルマガなどで発信した情報が検索にかかることはまずありません。情報を得たいというユーザーのニーズに応えることで、お店への関心が高まり、来店にもつながりやすくなります。
飲食店がブログで集客するメリット・デメリット
ブログの特徴をお伝えしましたが、このブログを利用することは飲食店にとってどのように働くのでしょうか。
メリット・デメリットをお伝えします。
メリット
飲食店がブログで集客すると、以下のような利点があります。
これらの利点を得たいのであれば、ブログを始めるとよいでしょう。
読者に有益な情報を届けられる
多くの情報を届けやすいという特徴は、有益な情報をしっかりと届けられるというメリットがあります。
たとえば、Twitterでは140文字しか記入できませんし、Instagramは文字の配信を得意としていません。しかしブログならば、文字だけでなく画像や動画などもほぼ無制限に伝えられます。
ブログは、充実した内容を届けるのに適した媒体といえるでしょう。
情報資産として活用できる
先述のとおり、書いた記事はカテゴリーごとに分類し、まとめて保管できるため、価値ある情報として蓄えておくことが可能です。するとお客様からの信頼につながるだけでなく、検索上位に表示されやすくもなります。これは記事数が多いブログのほうが信頼度が高いと検索エンジンに評価されるからです。
記事数が増えるとブログとしての価値が高くなり、上位表示もされやすくなりますので、より効率的に運用ができるようになっていきます。
新規来店につながる
「調べものをしていたら、偶然近所のお店のブログがヒットした」となると、そのお店に行きたいという気持ちが高まるでしょう。
もちろん記事でお店の様子がわかっていれば、ハードルも下がり、より来店につながりやすいはずです。
ブログは広告やSNSの投稿よりも身近に感じやすいので、新規の来店も増えるでしょう。
デメリット
ブログを始めるにあたって、以下のデメリットは知っておいてください。
これらを受け入れられなければ、ブログを始めないほうがよいでしょう。
成果が出るまでに時間がかかる
一般的にブログは、多くの人に見られるまでに時間がかかるものです。検索での上位表示は簡単ではありませんし、検索以外の流入を増やすにも時間がかかります。
数か月から、年単位での積み重ねが必要となることもあります。
執筆スキルが必要
ブログを始めるのは簡単ですが、人に読んでもらうには質の高い記事を書かなければなりません。
とはいっても高度な文章力が必要なわけではなく、ブログに適した書き方をマスターすることが重要です。まったくのゼロから始めるのであれば、多少の負担が掛かることを覚悟しておいてください。
飲食店がブログで集客する効果的な方法とは
ブログの書き方に決まったルールはないのですが、効果的に集客するには気をつけるポイントがあります。運用の仕方についても同様です。それらについて説明します。
ブログ執筆のポイント
まずは、ブログ記事を執筆するポイントからお伝えします。
主な目的は、読者に興味を持って記事を読んでもらうことです。ただし、検索上位に表示されるような工夫も必要なので、以下を参考にしてください。
お店に来たくなる内容にする
読者にとって有益なこと、知りたいことをテーマにすることが重要です。これらをテーマにして、読んで面白いと思ってもらえるように執筆しましょう。
そのためのポイントを挙げます。
商品について書く
飲食店に来店する目的は、おいしい料理や飲物を味わいに来ることです。それらの商品に関することは定番のテーマとなります。
例えば調理法や食材について伝えることは、お店に対する安心感にもつながります。また独自性を伝えることも来店の動機につながりますので、積極的に発信していきましょう。
スタッフについて書く
お店のスタッフについて書くことも読者の安心につながります。初めて行くお店には不安を感じるものですが、事前にスタッフの人柄がわかっていれば、不安も解消できるでしょう。
ただしスタッフに関する記事ばかりだと有益性を感じにくくなりますので、あくまでサブコンテンツとして考えておいてください。
宣伝色を強くしない
ブログを集客のツールとして活用する場合、記事の目的は情報提供と関係構築だと思ってください。
強引に集客を促す感じがすると、逆に距離を置かれてしまいます。あくまでも有益性や親しみやすさを提供することで、来店のハードルを下げるようにしてください。
興味がわくタイトルにする
ブログ記事を読むかどうか、多くの人はタイトルを見て判断します。ですから、一目見て読みたくなるようなタイトルをつけられると、記事を読んでもらいやすくなります。
例えば「当店の魚料理について」というタイトルよりも、「当店が○○漁港から直接仕入れる3つの理由」などのほうがより興味を持ってもらえるでしょう。
読みやすくする
ブログは文字がメインとなる媒体ですが、画面を文字が埋め尽くしているようでは読者の読む気も失せてしまうでしょう。ですから、読みやすそうだと思ってもらえるようにしてください。
代表的なやり方を説明します。
改行を多く入れる
画面が文字で埋まってしまう原因の一つが改行をしないことです。
デジタル機器の画面に表示される文章は、紙に書かれたものよりも読みづらいものです。改行がなく書き続けられていると離脱されやすいので、こまめに改行を入れるようにしてください。
漢字を少なくする
漢字は画数が多いために、ひらがなに比べて画面が文字で埋まっている感じを受けやすくなります。また難しい漢字があると読む流れが止まり、先を読まれなくなる可能性も出てきます。
漢字を使う必要がない場合は、ひらがなを使うようにしてください。
一文を短くする
一つの文が長い場合も読みにくくなります。長い文の多くは、複数の内容が詰め込まれています。それによって意味も理解しづらくなるので、文を複数に分けてください。
箇条書きを使う
使えるところには、箇条書きを使うとよいでしょう。箇条書きにすると視覚的に見やすくなって、頭にも残りやすくなります。
一文を短くする際も、箇条書きにできないか検討してみてください。
写真を多く入れる
記事の題材によっては、文章で説明するよりも写真を一枚入れるほうが理解してもらいやすくなります。
写真は読者の目も引きやすく、興味を持ってもらえます。
飲食店には、料理をはじめとして、読者の関心を引きやすい被写体が多くありますので、ぜひこれらを活用してください。
ネガティブな内容を書かない
差別的な内容や他のお店、お客様などの悪口といった、ネガティブな内容は読者を不快にさせるものです。当然、その記事を読んだ人は、ブログを発信しているお店に悪感情を持つでしょう。
書いている本人に他者を傷つける気持ちがなかったとしても、文字になるとそのニュアンスは伝わりにくくなります。文章ではマイナスに取られやすくなることを認識して、ネガティブな内容は慎重に避けるようにしてください。
ブログ集客の効果を最大化する方法
ブログを集客ツールとして効果的に運用するためには、記事の質が高いだけでは不十分です。
集客効果を最大化するための方法を、運用面から説明します。
検索上位を狙う
ブログが検索で上位表示されると、読者が多くなり、来店につながる人も増えていきます。検索で上位表示されやすくなるよう、執筆時には「キーワード」を意識するとよいでしょう。
キーワードとは、記事のテーマを簡潔に表現する単語です。この単語を文中に多く登場させると、検索結果に反映されやすくなります。
また飲食店のブログがターゲットとする読者は、お店の近くにいて、お店に興味を持ってくれる人です。ですから、お店がある地名やお店の業態なども文中に盛り込んで、お店のお客様になりそうな人に届きやすくしておきましょう。
さらに書いた記事同士をリンクで結びつけることにより、読者が記事を行き来するようになり、閲覧数が伸びやすくなります。結果的に1記事ごとの価値も高まり、上位表示をさせやすくなります。
検索以外の流入を増やす
運用を開始してしばらくは、検索だけで記事にたどり着いてもらうのは難しく、時間もかかります。そのため複数の流入経路を作っておくことが重要です。
もし運用しているSNSなどがあるのであれば、投稿のたびにブログへ誘導する・プロフィールにブログのURLを乗せておくなど流入経路を作っておくとよいでしょう。
またオフラインでも、メニューに書いておく・店内外に貼り紙をする・お客様に直接伝えるなど、できるだけ多くの方法で知ってもらうようにしてください。検索以外からの読者が増えれば、検索結果にも良い影響を与えます。
コツコツと地道に告知をしていきましょう。
定期的に更新する
ブログは、更新されない状態が続くと検索結果に悪い影響が出てきます。また読者も更新されていないブログだと、お店に対して不信感を持ってしまいます。ですから、ペースを決めて少しずつでも更新するように心がけてください。
「書けるときに書こう」と思っていると、なかなか執筆できないものです。更新するスケジュールを先に決めて、それに合わせて書くようにしていきましょう。
今回は、飲食店の集客に利用できるWebツールとしてはマイナーな、ブログについてお伝えしました。
ブログは成果が出るまでに時間がかかり、執筆の難易度が高いので、使いづらいと感じたかもしれません。
しかし、だからこそ競合店が少なく、始めることで独自性を出せるともいえるでしょう。しっかりと運用できれば、大きなメリットも期待できます。
・様々なWeb集客を行ったが、いまひとつだった
・集客施策に新しいものを追加したい
・競合店の集客と差別化したい
上記にあてはまることがあれば、ぜひブログ集客を始めてみてはいかがでしょうか。
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