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飲食店のQSCとは?顧客の目が厳しくなっている今こそ重要

飲食店の集客や販売促進、省力化のためのツールは日々増加し、進化しています。SNSやデリバリーサービス、モバイルオーダーなど、これらを使いこなすことで様々なメリットを得られるでしょう。
一方で、長く重要だとされている基本も忘れないようにしなければなりません。その一つがQSCです。
新型コロナウイルスの影響で、多くの人において飲食店を利用する機会が少なくなりました。
そのため、利用するお店に対して、安心・安全についてだけでなく、快適性などのあらゆる点で高いレベルを求めるようになっています。その結果、お客様から選ばれるには、基本により忠実である必要が高まっているといえるでしょう。

今回は、このQSCを今一度見直していただけるよう、QSCの重要性やQSC向上の具体的方法などについて解説します。この記事をお読みいただくことで、あなたのお店の営業基盤を強固にできますので、ぜひ最後までご覧ください。

QSCとは?


飲食店で用いられる「QSC」とは、
・Quality(クオリティ)=品質
・Service(サービス)=サービス
・Cleanliness(クレンリネス)=清潔さ

それぞれの頭文字をとった言葉です。

飲食店が営業の際に重視しなければならない基本事項として捉えられています。

またお客様も、これらの言葉を使うことはないにせよ、お店の評価をする際には各ポイントを見て判断しているようです。

顧客満足度を向上させるために、飲食店はこのQSCを指針として商品の品質を向上させ、より良い顧客サービスを提供し、店舗と従業員の清潔さを印象付ける必要があります。

飲食店におけるQSCの重要性


飲食店に行くことは、私たちの生活に必要な食事を摂ることと同時に、いつもとは違う特別な時間を過ごすことでもあります。そこでお客様が求めることは、高いクオリティの飲食物であり、過ごす時間を心地よいと感じさせるサービスであり、快適でいられるとともに身体に害がないであろうと安心できる清潔さです。

これらを総合的に見て、その店は、支払う金額に見合っているか、再度来てもよいかなどを判断しています。ただしQSCは、このようにすでに来店されたお客様のリピートにつなげるためだけに重要なわけではありません。インターネット上で広まる可能性もあるため、新規客の獲得にも大きく影響します。

このQSCの重要性を、それぞれについて見ていきましょう。

品質の重要性

飲食店が直接的に料金をいただくのは、主に提供する飲食物に対してです。お客様がお店に行く理由の最も大きなものといえますので、飲食物の品質は重要な要素となります。

飲食は生存に必要なものであると同時に、人間の欲求の中でも大きなものであるため、お客様が期待するレベルも高いと思わなければなりません。

代表的なポイントとなるのは料理や飲物の味や見た目となりますが、それだけでなく、量や食器のクオリティ、提供温度や季節感など様々です。また、作る従業員によってバラツキが出ないようにも気をつけましょう。

サービスの重要性

私たちが飲食店に行く主な理由は飲食をするためですが、提供される飲食物の質が良いだけで満足できるわけではありません。むしろ時にはそれ以上に、サービスの良し悪しが満足度を左右することがあります。
ですから、飲食店はサービスにおいても質の向上を目指さなければ、顧客満足度を上げることができません。また、低い評価が広まることがあれば、経営の維持も難しくなるでしょう。

特に重視したいのは接客態度です。笑顔で思いやりを感じる態度でサービスを受けられれば、お客様は気持ちよくいられるでしょう。そこに高い水準の給仕技術が加われば、さらにお客様の満足度は高まります。

清潔さの重要性

清潔さも、お客様が飲食店を評価する際には重視する点です。人によっては、飲食物の質やサービスレベル以上に、注目する点だといえます。
これは、清潔さと衛生管理のレベルが比例すると感じるからでしょう。つまり、清潔にしていないお店は、衛生面でも意識が低く、食中毒などの心配があるからです。特にコロナ禍以降は、感染症対策も欠かせません。
安全であるだけでなく、いかに安心感を与えられるかも考慮する必要があるでしょう。

たとえ衛生面の管理を厳格にしていても、清潔に見えなければお客様には理解されません。ですから、店内の清掃をしっかりすることは当然として、従業員の服装が清潔に保たれているかも常に気をつけておきましょう。

QSCに対する評価を知るには


QSCの重要性はおわかりいただけたかと思いますが、実際にそれらのレベルが高く維持されているかどうかを判断するのはお客様です。いくら、お店側がしっかりしているつもりでも、お客様に理解されていなければ意味がありません。

そのためには、QSCに対するお客様からの評価を常に意識しておく必要があります。これらの評価を知る方法をいくつかご紹介します。

アンケート

客席に用紙を置いておくなどをして、質問に答えてもらう方法です。ただし、多くの項目を設け、自由記述でお願いすると、お客様の負担が大きくなり十分な回答が得られない可能性が高くなります。
項目を絞り、各項目を5段階評価にして、低評価のところだけ具体的に記述してもらうなどの工夫をするとよいでしょう。

それでもなお、お客様からすると個人を特定されやすいという気持ちから、素直な意見を書きづらいという面があります。よりストレートな意見をもらいたいのであれば、用紙の回収の仕方などについて注意する必要があるでしょう。

ポータルサイトやSNSの口コミ

近頃では、食べログなどのポータルサイトやTwitterなどのSNSにお店の評価を書き込むことが一般的となっています。高い評価をしてくれるものも多いのですが、中には厳しいコメントも見受けられるでしょう。
QSCの向上には、この厳しいコメントが役に立ちます。

これらの口コミは匿名性が高く、記入した人物を特定することが難しいため、歯に衣着せぬ意見が多くなります。
そこには自店の弱点がはっきり書かれており、改善点を明確にすることが可能です。ですから、厳しいコメントにこそしっかりと目を通し、QSCのチェック項目に加えるとよいでしょう。

覆面調査

ご存じのとおり、覆面調査を請け負う業者が存在します。これらの業者に依頼して自店のQSCの評価を知ることも有効です。
これらの業者は、チェックポイントをリスト化しているため、多くの点でより客観的な評価を得られるでしょう。

ただし、調査員による評価点の偏りは出てしまいます。また、コストがかかるために多くのサンプルを集めるのも難しいでしょう。これらの理由で、完全な評価とは言えない点は考慮しておく必要があります。

観察

最も初歩的なやり方ですが、お客様を観察することでQSCに対する不満をくみ取ることもできます。人は口に出さないまでも、不快感を感じると表情や態度に出てしまうものです。
もし、そのような不快感の表出が見られれば、その直前に自店のQSCになんらかの不備があったのではないかと想像ができます。

サービスの質を上げようと思うと、お客様をより注意深く観察するようになるはずです。お客様の行動をしっかり見ることで、QSC向上のヒントも多く得られるでしょう。

QSCを向上させるには


QSCを向上させるための代表的な手法は、チェックリストを作成し、こまめに確認することです。
現在チェックリストがないのであれば、インターネットで探すなどをすれば相当な項目数をピックアップできるはずです。これらをリスト化して、適切なタイミングでチェックすることを業務として定着させましょう。
さらに、先ほど紹介した手法で集まった、お客様のQSCへの不満点も加えて、リストを充実させていってください。

このチェックリストは、従業員全員で共有する必要があります。特定の人物だけでなく、皆でQSCレベルを上げていくことを目標としましょう。また各項目は、担当スタッフが自分でチェックするだけでは、判断が甘くなってしまう可能性があります。複数スタッフがお互いをチェックし合うなどをして、客観的に高いレベルになっていることを確認してください。

QSCに加えたい要素とは


これまでQSCの3点についてお話してきましたが、最近では項目を追加して「QSC+α」とすることがあります。
この「+α」となるものを紹介します。これらは全て大切な要素なので、QSCとともに常にチェックするようにしてください。

ホスピタリティ

「Hospitality=もてなしの心」を加えて、「QSC+H」とすることがあります。ホスピタリティとは、サービスに近い概念です。
しかし、サービスがお客様に求められて提供するものなのに対して、ホスピタリティは従業員が先回りをしてお客様に心地よさを提供するという意味合いが強くなります。

寒そうにしているお客様がいれば、店内の温度を上げるかひざ掛けをお貸しするかをして、言われなくても快適さを提供する例などがあるでしょう。

雰囲気

「Atmosphere=雰囲気」が加わり、「QSC+A」となることもあります。雰囲気には、サービスの要素や清潔さの要素も関係します。しかし、それらにとどまらず、より多くの要素から作られるものとなっています。

たとえば、お客様と直接対峙していない従業員の立ち居振る舞いや店内の照明やインテリアなど、QSCよりもさらに付加価値の度合いが高いものといえるでしょう。

価値

「Value=価値」が加わることで、「QSC+V」として語られます。やや抽象度が高くなり、お客様の来店体験をどれだけ価値として高められるかということです。
つまり、これまで紹介した「QSC+H+A」を含み、それだけでなくお店に関する全ての要素を判断材料としたものといえます。

ある限定された項目だけ気をつけるというのではなく、あらゆるところに気を配る必要があるでしょう。

今回は、飲食店にとって重要なQSCについて紹介してきました。
近年は、飲食店に関係する原材料やツール、テクニックが増える中、これら新しいものに目がいきがちです。しかし、新型コロナウイルスの影響で、お客様の外食機会が少なくなったことで、再度飲食店の基本であるQSCの来店動機に占める割合が大きくなっているようです。
この機会に、自店のQSCを見直し、レベルをより向上させて、さらにお客様から選ばれるお店になっていただけると幸いです。

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