飲食店でも急増している!?サブスクリプション(定額制)モデルを解説
定額制とは、固定の価格で一定期間、いくらでもサービスを利用できる料金制度のこと。
インターネット関連サービスや動画配信サービスでは一般的なモデルとして知られています。
最近ではゲーム業界やファッション業界などでも、このモデルを導入する企業が増加傾向に。その波は飲食業界にも押し寄せ、新しい収益モデルとして定額制を取り入れる飲食店も見られるようになりました。
ただし飲食店の場合、定額制といっても、“1日1回無料で食事を提供する““対象の飲み物を割引にする“、というサービス内容にしていることが多め。一定期間、無制限にサービスを提供する通常の定額制とは、この部分で違いがあります。
もともと料理をオーダーするたびに料金がかかる従量制を採用していた飲食店。
なぜ今、定額制を採用する店舗が増えてきているのでしょうか。
また、そもそもどうして飲食店において定額制が成り立つのでしょうか。
なぜ、飲食店で定額制が成り立つのか?
飲食店で定額制が成り立つわけは、このモデルでも十分に収益を確保できることが関係しています。
では、なぜ収益を上げることができるのか。その理由をチェックしていきましょう。
常連客になってもらえる
飲食店は日々、たくさんの同業他社と競争しています。そうした競争で優位に立つためには、常連客をつくることが重要になります。
常連客をつくることができれば、毎月一定の収益を望むことができるためです。
定額制にすると、会員は「月額で払っているから、お得に利用したい」という気持ちになります。この気持ちが来店の頻度を高め、結果的に毎月、店舗を利用してもらえることに。安定した収益を得られることにつながります。
会員が口コミとなり、客足を増やしてくれる
友人を連れて店舗を訪れる。友人との会話のなかで店舗の宣伝をする。
定額制を気に入ってくれた会員は、その周りの人たちに店舗のことを紹介してくれます。
このように会員発信の口コミによって自然に店舗の情報が拡散し、客足が増えていくところも収益アップを実現しやすくしてくれます。
じつは客単価が上がりやすい
会員となってくれた人たちは、基本的に定額制の対象となっているメニューと同時に、ほかのメニューも頼みます。
たとえば、定額制によって毎日コーヒーを無料で提供しているカフェであれば、コーヒーと同時にサンドイッチなどのサイドメニューをオーダーしてくれることが期待できます。
定額制というと客単価が一定、または下がると思われがちですが、じつは客単価が上がる場合もあり、収益アップに貢献してくれるのです。
キャンペーンなどの情報を発信しやすくなる
キャンペーンやクーポンは客足を伸ばす効果的な施策です。
しかしその情報をいかに多くの人に告知できるかが重要になります。定額制では自然と顧客情報を取得します。これにより、キャンペーンやクーポンの情報を容易に発信することができます。また、キャンペーンやクーポンを実施することで、会員の満足度が上がる可能性も。
結果、長期的に契約してもらえて安定した収益を得られることにつながります。
定額制を取り入れている企業事例
それでは実際に定額制を取り入れている飲食店を4つご紹介します。
串カツ田中
串カツ田中では、定期券を提示することで、ドリンクが1ヶ月間199円(税抜)になる定額制を導入しています。
“定期券を購入した本人のみ““400円(税抜)以下のドリンクのみ“などの条件はありますが、お得にお酒を飲めるということで人気の制度となっています。
野郎ラーメン
野郎ラーメンでは、月額8,600円(税抜)で1日1杯ラーメンが無料になる定額制を実施しています。
定額制対象のメニューは「豚骨野郎」「汁無し野郎」「味噌野郎」の3つ。利用者はこのなかから、その日に食べたいラーメンを選びます。野郎ラーメンのアプリで専用のパスポートを購入すれば、このサービスを利用できます。
決済もすべてアプリで完結することができます。
養老乃瀧 鶯谷店
居酒屋チェーン店である養老乃瀧 鶯谷店では、来店時、揚げ物1品が無料になる「鶯谷養老に寄ろう揚Pass」を月額1,000円で販売。
“鶏ももジャンボ唐揚げは対象外““鶏もも唐揚げは3ピース“という条件も設定されていますが、お財布にやさしい価格帯であることから人気のサービスとなっています。
また同店では「鶯谷養老に寄ろう呑Pass」も提供中。月額4,600円でボトル類以外の飲み物を無料でオーダーすることができます。
coffee mafia(コーヒーマフィア)
コーヒースタンド「coffee mafia(コーヒーマフィア)」では、3つの定額制プランを提供しています。
プランに応じて無料でオーダーできるメニューの種類が変動し、それぞれのプランで金額も異なります。コーヒーマフィアはオフィス街に立地しているため、定額制は朝通勤するビジネスパーソンから人気のサービスとなっています。
飲食店経営の収益モデルとして、なかなかイメージできない定額制。ですが、最近では定額制を導入する飲食店も増えています。とはいえ、定額制が適している飲食店と、そうでない飲食店があることもまた事実です。新しい収益モデルを探している飲食店経営者は一度、定額制の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
【参考】
https://pos-cube.com/inshoku-keiei/tenpo-unnei/teigakusei/
定額制飲⾷店増加の背景と利益構造を実例から探る
https://misesapo.jp/archives/9085
飲食店で定額制が流行る理由とは
https://www.favy.jp/topics/30358
東京にあるサブスク飲食店まとめ。おすすめの定額制サービス
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